【中学部】 校内の歴史的遺構の紹介 ~Episode1~

公開日 2020年09月09日(Wed)

 鹿児島聾学校の敷地内には,歴史的に価値のあるさまざまな遺構が残されています。

本日はその中の一つEpisode1『田の神様』の石像を紹介します。(校内の歴史的遺構の紹介は3回シリーズでお届けします)

 本校と隣接する看護学校の境界に『田の神様』の石像が鎮座しています。『田の神様』とは,日本の農耕民の間で,稲作の豊凶を見守り,豊穣をもたらすと信じられてきた神のことです。特に鹿児島・宮崎の田園では『田の神様』の石像が数多く見られます。

 では,なぜ本校の敷地内に石像があるのでしょうか?
 本校が草牟田から伊敷に移転してくる前の,鹿児島盲学校があったころから石像はありました。鹿児島盲学校が建てられる前の大東亜戦争中は陸軍の歩兵師団がここにはあったようです。本校社会科の教諭の推測では,明治時代にこの地が伊敷村と呼ばれていたころは,本校の敷地一帯は田園が広がり,その田園の守り神としてこの『田の神様』が置かれ,田が軍用地になり学校になっても,他の場所には移動されずにここに置かれたと考えられます。おそらくこの『田の神様』は百年以上前からここ伊敷に鎮座し,さまざまな歴史の変遷を見てきたと考えられます。

今は,『田の神様』は田の代わりに本校の子供たちの,日々の安全と健やかな成長を見守ってくれていると思います。

 本校に来校された際には是非『田の神様』もご覧ください。

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